亡くなった人が生前に貯めていたマイルを相続(承継)することは可能でしょうか。
相続することができれば、マイルを上手に活用して旅行を楽しみたいですよね。
日本航空株式会社(以下JALと省略)は、マイレージ一般規約の中で会員の死亡による相続(承継)を認めています。本人の搭乗実績に基づいて判定される会員ステータスは継承されないものの、マイルは相続できるので忘れずに手続しましょう。
このマイルの相続手続ですが、意外と複雑で骨の折れる作業が必要です。
コラムでは、読者様がスムーズに手続できるよう、マイルの相続手続について深堀し、どんな人が相続できるのか?どんな手続が必要なのか?などの疑問を解決しながら詳しく解説します。
マイルを相続できる人は?
JALのマイレージバンク規約によると、マイルを相続できるのは法定相続人とされています。
ここで言う法定相続人とは、法律で定められた法定相続人の範囲とは異なり、広く認められています。具体的には被相続人の配偶者と子・孫・兄弟姉妹・両親・祖父母などの「血のつながりがある人=血族」が当てはまります。
積算されたマイルを会員間で共有、合算および譲渡することはできません。ただしJALFCおよびJALカード家族プログラム登録会員は、そのプログラムの特典として、特典の引き換え時に限り、登録している家族会員間で積算マイルを合算することができます。また会員が死亡した際、法定相続人は所定の手続きにより会員のマイル口座に残る有効なマイルを相続することが可能です。
JMB一般規約 14条 合算不可
法定相続人が複数いる場合にマイルを分け合うことはできるか
JALでは他の航空会社の扱いとは異なり、マイルを分割して相続することが認められています。
つまり通常であればだれか一人の相続人を決めないといけないのに対して、JALでは例えば長女に2分の1、長男に2分の1という具合に、分割割合に従ってそれぞれのマイル口座に振り分けて承継してもらえるという仕組みです。
相続人同士で誰が承継するのか話し合いを行い決定しますが、口頭だけでは後から言った言わないのトラブルになってしまうこともあるため、書面に残すべきでしょう。遺産分割協議書を作成中であれば、下記のような一文で記録しておくことが可能です。
【例】2人で等分に分ける場合
JALマイレージバンク会員○○(亡くなった人の氏名)のマイルを△△(相続人A)が持ち分2分の1××(相続人B)が持ち分2分の1を取得する
マイルの相続に必要な書類と手続き
マイルの相続手続きを行う前提として、相続人がJALマイレージバンク会員であることが必要です。
そのため相続人がマイレージバンク会員でない場合は、新規会員の登録手続きを済ませてから相続手続きをしましょう。
マイルの相続自体に手数料はかかりませんが、相続人が新たに会員登録をする場合は年会費が必要になります。
手続きに必要になる書類
- 合意書
- 退会届
- 被相続人の除籍謄本または戸籍謄本*コピーでも可能
- 被相続人と相続人の関係がわかる書類(戸籍謄本または法定相続情報一覧)*コピーでも可能
手続きの流れ
公式サイトのご利用案内・お手続きの【マイル相続】から合意書と退会届を印刷してください。
なお、被相続人(亡くなった方)がクレジット機能付きJALカード会員の場合は、下記コンタクトセンターへ連絡し、まずはJALカード退会手続きを行ってから相続手続きとなります。
*JALカード退会前に送付しても受付してもらえません。
連絡先:0120-747-907
携帯電話の場合:03-5460-5131(有料) 海外の場合:+81-3-5460-5131(有料)
営業時間 月~金 9:00~17:00(日・祝・年末年始は休み)
上記の証明書類を用意し、合意書と退会届に記入後、下記送付先へ郵送します。
相続の対象となるマイルは必要書類を投函した時点(消印日)での有効なマイル数となります。
〒143-6590
東京都大田区東京流通センター内郵便局私書箱158号
JMB日本地区会員事務局「マイル相続係」
相続する人のマイレージバンクに被相続人のマイルが移行し、反映されます。
その時点で手続き完了です。
相続手続きの申請期限と相続したマイルの有効期限
JALマイレージバンク会員規約では会員(被相続人)のマイル相続申請をする期限については特に定められていません。
とはいえ、マイルの有効期限は利用日から36ヵ月後の月末までと明記しています。
有効なマイルを相続するためには、相続手続きが完了する前に期限切れとならないようマイルの有効期限に注意して早めに手続きを完了させることが望ましいと言えます。
相続したマイルの有効期限
相続したマイルの有効期限は、相続をした日から36ヵ月後の月末までです。
JALでは相続した時点で有効期限がリセットされるため相続した時点、つまり手続きが完了した日から有効期限が再度スタートします。
そのため、有効期限が迫っていたマイルも相続手続きが完了した日から改めてカウントされるため36ヵ月間(約三年間)はマイルが失効することはなくなります。
被相続人が持っていたマイルの確認方法
マイルを所有していたかどうかわからない場合や、被相続人(亡くなった人)のマイル残高によっては相続手続きを行うかどうか悩む人もいるでしょう。
マイルの有無、残高を確認する方法は下記窓口に電話で問い合わせて確認することです。
JALでは二親等以内の親族であれば電話口でマイルの有無と数量を教えてもらえます。
問い合わせの時に会員(亡くなった人)との関係(続柄)と登録情報を数点確認されますので、登録者の氏名、住所、会員お得意様番号などの情報をわかる範囲で用意しておきましょう。
そして残高を確認して相続手続きを行うときは、そのまま案内に従い手続きを行いましょう。
JALマイレージバンク日本地区会員事務局
連絡先:0570-025-039 (全国一律料金)または 03-5460-3939
営業時間 :月~金 9:00~17:00(日・祝日・年末年始を除く)
まとめ
まとめると、JALのマイルは以下のとおりの取り扱いとなります。
- マイルの相続は被相続人の血族であれば相続は可能
- マイルを相続するためには相続人が会員である必要がある
- 手続きには申請期限がないがマイル有効期限に注意が必要
- 相続人には会員ステータスの引継ぎはできない
本記事で解説したとおり、マイルの相続は可能です。
相続が発生した後の手続きは非常にやることが多いため、マイルの相続は優先順位が低く後回しになりがちですが、マイルの有効期限が切れてしまい相続するマイルが無くなってしまったということにならない為に、一日も早く残されたマイルがあるか確認し、有効期限内に相続手続きを行うようにしましょう。
相続手続きは非常に多くの時間と手間がかかり、相続人に負担がかかることになります。
JPコネクト行政書士事務所では煩雑な相続手続きに関してサポート業務を行うことができます。もし手続きの時間がなかなか取れないなど、何かお困り事があればお気軽にご相談ください。