全日本空輸株式会社(以下ANAと省略)では、ANAマイレージクラブ会員が亡くなった場合、所定の手続きによりマイルを相続することが認められています。
ただし、申請期限や必要書類が厳格に定められており、手続きに不備があるとマイルが失効してしまうため注意が必要です。
この記事では、ANA公式の最新規定をもとに、マイル相続の対象者・必要書類・手続きの流れ・注意点を行政書士の視点でわかりやすく解説します。

マイルを相続できる人の範囲
ANAのマイレージクラブ会員規約によると、マイルを相続できるのは法定相続人と明記されています。
法定相続人に該当するのは以下の方々です。
- 配偶者
- 子、孫
- 親
- 兄弟姉妹
(下記の図を参考にご覧ください。)

通常の相続では、配偶者や子が優先され、兄弟姉妹に相続権が及ばないケースもあります。しかし、ANAマイルの相続においては、法定相続人であれば兄弟姉妹も対象となります。旅行好きの兄弟姉妹がマイルを引き継いで活用することも可能です。
この点で、一般的な相続順位とは異なり、ANAマイルの相続では兄弟姉妹まで対象が広がるという特徴があります。
複数人で分けることは出来ない
ANAでは、マイルの分割相続は認められておらず、必ず1名の相続人にまとめて相続されます。
そのため、誰が相続するかについては、相続人同士で話し合って決める必要があります。口頭の合意だけでは、後に「言った・言わない」のトラブルにつながる可能性があるため、書面で明確に残しておくことが望ましいといえます。
遺産分割協議書を作成している場合には、次のような文言を記載することで、マイルの相続人を明確にできます。
【例】第〇項 相続人△△が相続する財産
ANA マイレージクラブ会員○○のマイル口座にあるマイル全部
マイル相続に必要な書類と手続き(ANA公式最新版)

マイルの相続手続きを行う前提として、まず相続人がANAマイレージクラブ会員であることが必要です。会員でない場合は事前に会員手続きを済ませましょう。入会費・年会費無料で登録できます。
相続手続きに必要な書類
- ANAマイレージクラブカード退会届・マイル相続申請書
※公式サイトからダウンロード可能(PDFフォームに直接入力可)
※申請書にはお客様番号の記載が必須です。
クレジット機能付きカードはカード会社で退会 → その後申請書記入 - マイル相続手続きチェックリスト
※公式サイトからダウンロード可能 - 被相続人の死亡日および相続人の続柄を確認できる書類(いずれか1点)*コピーでも可能
- 戸籍謄本
- 戸籍抄本
- 法定相続情報一覧図
※いずれも6か月以内の発行
- 相続人本人を証明する書類(いずれか1点)*コピーでも可能
- パスポート
- 運転免許証
- マイナンバーカード(表面のみ)
- 住民票(6か月以内の発行)
- 在留カード、学生証、障害者手帳などANAが認める本人確認書類
手続きの流れ
・ANAマイレージクラブカード退会届 マイル相続申請書(引用元:ANA公式サイトPDF)https://www.ana.co.jp/amc/reference/merit/procedure/inheritance/pdf/application_form.pdf
・マイル相続手続きチェックリスト(引用元:ANA公式サイトPDF)
https://www.ana.co.jp/amc/reference/merit/procedure/inheritance/pdf/required_documents_checklist_260213.pdf
※相続人がANA会員でない場合、入会後に会員番号を記入します。
・戸籍関係書類
・本人確認書類
コピーを準備します。
①ANAマイレージクラブカード退会届・マイル相続申請書
②マイル相続手続きチェックリスト
③戸籍関係書類のコピー
④本人確認書類のコピー
①~④をANAマイレージクラブ・サービスセンター宛に郵送します。
チェックリスト用紙の一番下の宛先を切り取って宛名ラベルとして利用できます。
【送付先】
〒144-8526
蒲田郵便局区内
ANAマイレージクラブ・サービスセンター
「マイル相続」係
相続する人のマイル口座に被相続人のマイルが移行され口座に反映されます。
相続手続きの申請期限と相続したマイルの有効期限
ANAマイレージクラブ会員規約では、会員(被相続人)の死亡日から180日以内に相続手続きを行う必要があると定められています。この期限を1日でも過ぎてしまうと、マイルはすべて失効し、相続の取り扱いができなくなります。相続手続きはほかの相続業務と並行して進めることが多く、後回しになりがちですが、期限を過ぎると相続できなくなるため、早めに残高を確認し、確実に申請を行うことが重要です。
21条 会員の死亡
ANA マイレージクラブ会員規約 2022年4月11日現在
会員が死亡した場合、法定相続人は、会員が積算していたマイルを、所定の手続きが完了した時点で有効な範囲で承継することができます。その際、当該法定相続人は弊社に対し、故人である会員のマイルの相続権を有することを証明する書類を、会員の死亡日から180日以内に提示する必要があります。相続の申し出が前記の期間内になされない場合は、当該会員の積算マイルはすべて取り消されます。
相続したマイルの有効期限
相続したマイルの有効期限は、相続人(マイルを受け取る人)のANAマイレージクラブのグループ区分(1〜4)によって異なります。
手続きが完了した日を基準に、次の期間が設定されます。
●グループ別の有効期限
- グループ1:手続き完了後 36か月後の月末まで
- グループ2〜3:手続き完了後 12か月後の月末まで
- グループ4:手続き完了後 6か月後の月末まで
●グループとは?
ANAでは、会員の利用状況やステータスに応じて、1〜4のグループに自動的に分類されます。
相続人がどのグループに属しているかによって、相続マイルの有効期限が決まります。
●具体例
例:手続き完了日が2026年4月10日の場合
・グループ1 → 2029年4月30日まで有効
・グループ2〜3 → 2027年4月30日まで有効
・グループ4 → 2026年10月31日まで有効
相続手続きが完了した時点で、
もともとのマイルの有効期限はリセットされ、新しい期限(6か月〜36か月)が設定されます。
そのため、期限が迫っていたマイルでも、相続後は相続人のグループに応じた期間、改めて利用できるようになります。相続人にとっては、マイルを無駄にせず活用できる有利な仕組みといえます。

被相続人のマイル残高を確認する方法
被相続人がマイルを保有していたかどうか分からない場合や、残高によって相続手続きを進めるか迷うこともあるでしょう。そのようなときは、ANAマイレージクラブ・サービスセンターへ問い合わせることで、被相続人のマイル残高を確認できます。
問い合わせの際には、被相続人との続柄の確認や、ANAに登録されていた情報についていくつか質問されます。
事前に氏名、生年月日、登録住所、登録電話番号、会員番号などわかる範囲で準備しておくとスムーズです。
ANAマイレージクラブ・サービスセンター
連絡先:0570-029-767 (ナビダイヤル有料) 03-6741-6683 (有料・海外から)
マイレージサービス問い合わせ【3】を選択
受付時間 :9:00~17:00(日・祝日・年末年始を除く)
注意点とまとめ
ANAマイルの相続手続きを進める際に注意すべきポイントは次のとおりです。
- マイルの相続は法定相続人であれば相続可能
- 手続きは死亡日から180日以内に行う必要がある(期限を過ぎるとマイルは全て失効)
- 必要書類を揃えたうえで郵送で申請(オンライン手続き不可)
- マイルの分割相続、会員ステータスの引継ぎはできない
- 相続人はANAマイレージクラブ会員である必要がある
マイルの相続自体は可能ですが、相続が発生すると戸籍の収集や各種届出など、並行して進めることが多く、後回しになりがちです。ほかの相続手続きに追われているうちに気づいたら申請期限を過ぎてしまっていた…というケースも珍しくありません。残されたマイルがあるかどうかを早めに確認し、期限内に手続きを進めることが大切です。
JPコネクト行政書士事務所では、戸籍収集や相続書類の作成など、煩雑な手続きをスムーズに進めるためのお手伝いをしています。時間が取れないときや不安な点があるときは、どうぞお気軽にご相談ください。


